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生産国別・ワインの特徴まとめ【11か国/フランスとイタリアは生産地有り】

生産国別ワインの特徴まとめ【11か国・フランスとイタリアは生産地有り】

ワインは生産国・生産地ごとに味や特徴があり、それが醍醐味でもある!

ワインの味や個性を形成する上で、重要な要素は「ワイン造りの歴史や製造方法」そして、「テロワール」です。

テロワールとは、ブドウを育む生育条件の総体であり、産地の気候、地勢、地質、土壌等の条件が複合的に絡み、ワインの品質基準となります。

例えば、冷涼な気候で育ったブドウは酸を多く含む為、「爽やか」なワインに仕上がり、逆に温暖な気候で育ったブドウは完熟し、酸は控えめになる為、「濃厚」なワインに仕上がります。

「好みの味」を見つける事は、その国のワイン造りの歴史や製造方法へのこだわり、そしてテロワールを知る事も一つの方法です。

そんな国や地域別の特徴を今回はご紹介していきます!

フランス

フランスワインの特徴お紹介

厳格なワイン法で地域毎の味や個性が豊かなワイン大国。バラエティ豊かなラインナップが特徴「フランス」

ワイン生産量は世界で第2位、国別一人当たりのワイン消費量も第2位と、フランスの食文化にとってワインが重要な嗜好品である事は間違いありません。

最大の特徴は、煌びやかな白赤ロゼに始まり、発泡酒、甘口ワインやブランデーにいたるまで、複雑な気候条件から生まれるバラエティ豊かな品揃えにあります。

そして、ワインの信頼性を確固たるものにする為に、1935年優良産地の保護を目的とした「原産地制度」を設け、厳格な規律によって優良ワインだけを生み出す事に成功し今日に至ります。

大きく6大産地として、「ワインの女王」ボルドー地方、妖艶で卓越したワインを生む「ワインの王」ブルゴーニュ地方、世界最高峰の発泡酒を生み出すシャンパーニュ地方、気さくなロワール河流域、華麗なアルザス地方、膨らみのあるローヌ河流域等が主な産地となります。

そんな地域を細かくご紹介していきます!

ブルゴーニュ

ブルゴーニュ地方は、フランス中東部の丘陵地帯にある生産地で、ボルドーと共に2大銘醸地と讃えられています。

生産地は丘陵伝いに南北300kmに伸びるように広がり、基本的に単一のブドウ品種から醸造する為、各地域毎の個性は「テロワール(ブドウを育む生育条件)」によって表現されます。

そして、ワイン造りを行う「生産者」の力量や志向の違いにより、品質やスタイルに違いが生じ、同銘柄・同一品種のワインであっても多様な味わいとなります。

これがブルゴーニュワインの「最大の魅力」です。

主な産地として、北から辛口白の代名詞であるシャブリ地区、ロマネ・コンティを筆頭に世界最高峰の赤ワインを生むコート・ド・ニュイ地区、傑出した白で世界中のワイン愛飲家を魅了するコート・ド・ボーヌ地区、親しみやすくコスパに優れたコート・シャロネーズ地区、カジュアル白の大産地マコネ地区、そして、最も南には新酒のボージョレ・ヌーヴォーで日本でも馴染み深いボージョレ地区があります。

主な赤ワイン用のブドウ品種では、ソフトな渋みとしっかりとした酸味が特徴のピノ・ノワール種、白ワイン用のブドウ品種では、辛口で骨格のしっかりとした酸が特徴のシャルドネ種を使用し、世界を魅了するワインを造っています。

ボルドー

ボルドー地方はフランス南西部にある生産地で、地名の由来は「水の辺」を意味し、複数の大きな河川の周りにぶどう畑が形成されています。

ブルゴーニュとは対照的に、複数の品種をブレンドしてワインを造り、原産地制度(EUが原産地保護や品質保証を管理している制度)が村までしかない為、生産者の「個性」や「格付け」が品質基準となっています。

1855年に史上初の生産者格付けを行い、1950年代にも新たな格付けを制定し、地方のワインを公的に整備する事で、「唯一無二のワイン」を造り続けています。

主な産地として、ボルドー市街の北に広がるメドック地区は赤のみを生産する地区で、6つの村で地方を代表する赤ワインを多数産出しています。

市街の南に広がるグラーヴ地区及びソーテルヌ地区では、白赤のほか、貴腐(ブドウに菌が感染し干しブドウ化して糖度が高くなる現象)による甘口等、多彩なワインを造っています。

メドック地区と河を挟んで対岸に位置する、サン・テミリオン地区及びポムロール地区では、栽培方法や醸造技術の革新により、優美でしなやかなスタイルの赤ワインを産出しています。

「ワインの女王」の名にふさわしい煌びやかなボルドーワインは、今も変わらず世界中を虜にし続ています。

アルザス

フランス北東部の南北100kmに細長く伸びる生産地で、ドイツと国境を接する事から、共通の品種を使用し、細長いフルート瓶にワイン詰めを行う等、ドイツ色が強い地方になります。

北部のバ・ラン地区では主に並級品ワインを生産し、南部のオー・ラン地区で高級品のワインを多く生産しています。

アルザスワインは、国内で唯一、「ブドウの品種名をラベルに表記する産地」です。4高貴品種として、リースリング、ゲヴルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカを使用します。

シャンパーニュ

国内で最北に位置するシャンパーニュ地方は、厳しい自然条件を逆手に取り、ブレンドと長期熟成という技術によって、個性的な発泡酒(シャンパン)を開発しました。

年間生産量でも90%が発泡酒を生産しています。

主な産地は、北からモンターニュ・ド・ランス地区、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、コート・デ・ブラン地区があり、主なブドウ品種としてピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネでワイン造りを行っています。

伝統的な製造方法「瓶内二次発酵(原酒を造る発酵と泡を蓄える発酵の2回発酵を行う)」で世界最高峰の地位を確立しました。

ロワール

全長1000kmにもおよぶフランス一の大河ロワール河の流域に広がる生産地で、国内随一、品揃えが豊富な銘醸地です。

市場価格は他の生産地に比べ低めで、「自然派の聖地」と呼ばれ、自然を尊重したワイン造りを行う生産者が多い事でも有名です。

主な生産地として、ロワール河中・下流域のナント地区、アンジェ・ソーミュール地区、ロワール河上流域のトゥール地区、サントル・ニヴェルヌ地区の4つです。

軽快な白やロゼのほか、軽めから中程度の赤、発泡酒や甘口ワイン等、多種多様なワインを造っています。

ローヌ

フランス南東部に流れるローヌ河流域に広がる生産地で、上級品のワインの生産量ではボルドーに次ぐ規模を誇ります。

生産地域は、上流域の北部と下流域の南部に分かれ、気候条件や土壌条件、栽培品種の違いに加えて、単一品種でワインを造る北部と複数品種で造る南部といった対照性があります。

上級品ではボルドーに次ぐ規模とはいえ、北部のコート・ロティやエルミタージュといった銘柄が稀少性を謳った高級品であるのに対して、地方生産量の95%を占める南部ではほとんどがお手頃なカジュアルワインを産出しています。

ランクドックルション

ローヌ河以西の地中海沿岸に広がる生産地で、国内のブドウ栽培面積のうち約4割を占める大産地です。

地中海沿岸の太陽の恵みをふんだんに浴びたブドウを使用し、日常消費用ワインを多数産出しています。

生産地は大きく2つで、ラングドック地方とルーション地方に分かれます。

1990年代から新世代の生産者達が、最適なブドウ畑の設営、栽培技術や醸造技術の改善等を行い、2000年代になると、他の地域の銘醸ワインにも並び立つほどの評価を獲得するワインが登場しています。

プロヴァンス

ローヌ河以東の地中海岸に広がる生産地で、大半がフルーティーで親しみやすいロゼワインを造るロゼの一大産地です。

プロヴァンス地方は、「フランスワイン発祥の地」と言われ、温暖で乾いた地中海性気候に恵まれ、ロゼの他にも赤や白も産出しています。

地中海沿岸部にあるバンドル地区は、地方随一の評価を得る赤ワインの生産地で、長期熟成を経て出荷される、濃厚で力強い味わいが特徴です。

近年では、一部の先鋭的な生産者が高品質なワインを造り始め、徐々に高品質化の方向性が現れてきています。

イタリア

イタリアワインの特徴をご紹介

近代化が加速し、生産量ではフランスと首位を争うワイン大国。国民性のように、「明るく陽気」なワイン造りで世界中で愛されるイタリアワイン。

全20州で多種多様なワイン造りを行い、栽培品種300種以上で、古代から中世を通して現代に至るまで、安定的に発展を遂げてきました。

1970年代頃から、生産者の間で、「量から質」へと意識変革が始まり、近代化による品質向上によって「スーパー・トスカーナ」をはじめとするモダンスタイルのワイン達の潜在性が徐々に発揮されています。

全20州が大きく5つの地方で形成され、冷涼産地である北部地方、親しみやすい中部地方、果実味が特徴的なティレニア海沿岸地方、温暖で穏やかな風味を持つアドリア海沿岸地方、柔らかい口当たりの地中海沿岸地方があります。

中でも2大銘醸地であるピエモンテ州では、「イタリアワインの王 バローロ」が、トスカーナ州では「サッシカイヤ」や「オルネライヤ」等の新時代のワイン達が世界中の美食家を唸らせています。

ピエモンテ

「美食の土地」として知られる北部のピエモンテ州は、大陸性気候から生まれる豊富な品揃えでイタリアの2大銘醸地の一つです。

またイタリアにおける国際化と高品質化を担ってきた象徴的存在です。

産地は、北部山麓地区、アスティ地区、アルバ地区、ガヴィ地区の4つに分かれ、日本でも認知度の高いフルーティーな発泡酒アスティや、イタリアワインの王と呼ばれる重厚な赤のバローロ、爽やかでフレッシュな酸味が心地良い白ワインのガヴィ等が有名です。

トスカーナ

イタリア2大銘醸地の一つトスカーナ州は、中央部に位置し様々な高低や起伏に富んだ地勢を形成しています。

トスカーナでは、栽培技術や醸造技術の改善、フランス系のブドウ品種の導入や新しい栽培地の開拓等で近代化を行ってきました。

生産地は、キャンティ地区、サンジミニャーノ地区、モンタルチーノ地区、モンテプルチアーノ地区、ボルゲリ地区に分かれます。

高級赤のスーパー・トスカーナを始め、イタリアで最も有名な赤のキャンティや「イタリアワインの女王」と呼ばれるブルネッロ・ディ・モンタルチーノ等があります。

ヴェネト

北部に位置するヴェネト州は、ワイン生産量において国内トップクラスを誇り、州内は山岳・平野・丘陵地帯を形成し、恵まれた自然環境からバラエティ豊かなワインを造っています。

「ロミオとジュリエット」の舞台で有名なヴェローナ地区では、味わいのバランスに優れた赤のヴァルポリチェッラや州を代表する白ワインのソアーヴェが生産されています。

トレヴィーゾ地区では、国内生産量第1位の、爽やかでドライな発泡白プロセッコが人気を集めています。

ロンバルディア

北部の内陸にあるロンバルディア州は、美しい景観の湖が多く、穏やかな気候と変化に富んだ地形から最高峰の発泡酒や赤白を生産しています。

フランスのシャンパンと双璧を成すと言われる発泡酒の「フランチャコルタ」は、ここ数年で日本での需要も高まり認知度も向上しています。

またヴァルテッリーナ地区の、陰干しして糖度を高めたブドウを使用し造るスフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナは力強い味わいで州を代表する赤ワインです。

アメリカ

ワインの歴史が新しい生産国の中でリーダー的地位を確立。温暖な気候に育まれたワインの果実味豊かな風味は万人受けする飲みやすさ!

本格的なワイン造りの歴史は1934年から始まり、画期的な「ビジネスモデルの構築」や消費者への認知のしやすさを狙った「品種主義」等で、今ではフランス、イタリア等と共に主要生産国の1つに数えられます。

品種主義を打ち出す事で、「品種らしさ」を表現する事にも成功します。

主なワイン産地として、ワシントン州、カリフォルニア州、オレゴン州、ニューヨーク州があり、中でもカリフォルニア州は国内生産量の9割を占めるばかりでなく、ナパやソノマ等の屈指の銘醸地から生まれる高級品のワインは国際市場で高値で取引される等、品質面においても世界の牽引的立場にあります。

その他、オレゴン州では赤品種のピノ・ノワール、ワシントン州では白品種のシャルドネや赤品種のカベルネソーヴィニヨン、ニューヨーク州では白品種のリースリングやシャルドネが世界でも評価されています。

チリ

日本への輸入量NO.1!高品質でコスパに優れた「分かりやすい味わい」で圧倒的な存在感を示すチリワイン。

ワイン新興国の中でもアメリカやニュージーランドが中価格帯以上に主軸を置くのに対して、低価格で万人受けする「分かりやすい味」で、「安旨=チリワイン」の地位を確立しました。

安旨の理由は、土地代や人件費が圧倒的に低い事、ブドウ栽培に適した気候条件により毎年安定したワインの製造、日本とチリの二国間における関税が段階的に下げられており、2019年4月には関税が0%になった事等が挙げられます。

生産地域は河川流域に広がっており、北からコキンボ地区、アコンカグア地区、セントラル・ヴァレー地区、南部地区となります。

かつては高い技術力と低い製造コストによる値頃感だけを掲げていましたが、チリワインでも最高級品の「アルマヴィーバ」等、付加価値の高いワインの開発も進められています。

低価格帯で親しみやすく濃厚な味で成功したのは、「コノスル」や「モンテス」、動物をモチーフにしたラベルの「アルパカシリーズ」等、日本市場でもファンが多いワインです。

アルゼンチン

近年の技術革新や海外からの資本投入により、高品質ワインの台頭目覚ましい、生産量第6位のワイン大国

アンデス山脈の影響を強く受け、太平洋からの湿った風が健全なブドウを育てています。

また、栽培地のほとんどが、標高400~1800mにあり、標高の違いによる温度差を利用してブドウ品種のすみわけを行っています。

主な産地は、中央西部、北西部、南部の3地域に大別され、中でも中央西部は国内ワインの全生産量の90%以上を占め、アルゼンチンワインの中心地となっています。

特にメンドーサ州には、著名なワイナリーが集中しており、国内最高峰の評価を持つ「ボデガ・カテナ・サパータ」や、日本市場でもよく見かけ、アルゼンチンの生産者の中では、輸出量で第1位を誇る「トラピチェ」等が高品質化に向け取り組んでいます。

近年では、サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ選手が故郷アルゼンチンでワイン造りを行い高品質ワインを多数リリースし、アルゼンチンワインの認知度向上に一役買っています。

ニュージーランド

新興国で唯一冷涼気候により成功をおさめ、爽やかな白ワインや繊細且つしなやかな赤ワインで、独特の存在感を発揮する「注目のワイン産地」

ニュージーランドの産地は、北島、南島の2つの島に広がり、南北1600kmにもわたる細長い産地で、海洋性気候に支配された冷涼湿潤な気候です。

有名な産地として、北からオークランド地区、近年白品種のシャルドネの生産が盛んなギズボーン地区、フランス ボルドー・スタイルの赤ワインで国内随一の評価を獲得したホークス・ベイ地区、国内最高評価のワイナリーが集まるウエリントン地区、1985年に白品種ソーヴィニヨン・ブランで世界の注目を集めたマールボロ地区、フランス ブルゴーニュ以外では数少ない赤品種ピノ・ノワールの栽培に成功した土地として知られるセントラル・オタゴ地区等が有名です。

また、ワイン栓のコルクの代替栓「スクリューキャップ」を積極的に導入し、カジュアルにワインを楽しめる日常を世界に届けています。

日本

日本のワインは和食に合う

穏やかな気候から生まれるワインは、繊細な和食との相性も抜群!栽培や醸造技術の向上に伴い、進化を続ける日本のワイン。

日本のワインの歴史は、明治初期にブドウ品種「甲州」からワインを醸造したのが始まりです。

ただ、専門家達の間では、土地が肥沃で湿度が高い日本では良質なワインは造れない、といわれてきました。

しかし、近年では仏系品種のカベルネ種やシャルドネ種の導入、甲州種を用いて日本の独自性を打ち出す等、良質なワインが急増し、日本ワインの品質向上と発展は目を見張るものとなっています。

実際に国際コンクールで数多くの賞を獲得しています。生産量の多いブドウの品種では、日本固有の甲州種、海外の品種を交配させたマスカット・ベリーAが挙げられ、和食にも合うワインの繊細な味わいは国産のブドウを使用しているからこそ出せるものです。

ちなみに、国産のブドウを100%使用して国内製造されたワインを「日本ワイン」、海外から輸入したブドウを使用して国内で製造されたワインを「国産ワイン」と呼びます。

中国

ブドウの栽培面積、ワインの生産量及び消費量は世界トップクラス!海外の品種を積極的に栽培し、世界に通用する品質を追及。

中国のワイン造りの歴史は、漢の時代から始まり、唐の時代にはワインの商業化が進み、ブドウの栽培面積が世界で第2位となるまでに成長してきました。

中国の主な産地は、国土の中央部東側に位置する山東省で、ブドウの生産量は全国の約3割を占め、中でも煙台(えんたい)のワインの歴史は120年以上で、中国ワインの祖、張裕(チャンユー)ワインの発祥地です。

煙台に、中国初のシャトー(フランス ボルドー地方におけるワイン生産者の意味で、ブドウ栽培からワイン製造までを一貫して行う)となるシャトー・チャンユー・カステルを建設し、欧州系のブドウから近代的なワインを造っています。

一方で、中国西部の新疆ウイグル自治区等では対照的に、古くから伝わる中国独自の製法で日常消費用のワインを生産しています。

新旧の製造方法へのこだわりを持つ生産者達は、世界に認められる中国産ワインを生み出そうと日々努力しています。

オーストラリア

開栓が容易なスクリューキャップや箱型ワインの開発等、新しい事に挑戦し、独自のスタイルを構築。「気軽に楽しめるワイン」を世界に発信し続けるワイン新興国

温暖な気候のオーストラリアでは、南極に近いより冷涼な南沿岸部でブドウ栽培が行われています。

温暖な気候を更に強調する為、特殊な醸造技術を導入し、濃密で柔らかい味わいのワインを造っています。

主なワイン産地は、国内生産量の半分を占め、赤品種シラーズでは国内随一の評価を得る南オーストラリア州、オーストラリアワイン発祥の地であるニュー・サウス・ウェールズ州、赤品種ピノ・ノワールで国内随一の評価を得るヴィクトリア州、冷涼気候による繊細さと土地の個性を表現した西オーストラリア州が有名です。

オーストラリアにおけるワイン造りでは、複数の地域や区画のブドウをブレンドし、収穫年による品質のブレを出来るだけ少なくし、ブドウを取り巻く生育条件よりも醸造家の製造スタイルや独自性を重視しています。

ドイツ

「酸味と果実味のバランス」「低アルコール」「程よい甘さ」で独自のスタイルを構築。日本でもファンが多い世界最北のワイン産地ドイツ

ドイツは世界最北のワイン産地の一つであり、その寒冷な気候風土から中甘口や甘口という世界に誇る独自のスタイルを生み出しました。

また、それを保証する為、「果汁糖度に基づく等級制度」を設けています。

一方、近年では市場の辛口ワインの需要が高まっている傾向もあり、高品質な辛口ワイン独自の等級制度も導入し、「ドイツ=甘口」という概念を覆しています。

ドイツの2大銘醸地は、ライン河中流のラインガウ地域、その支流モーゼル河流域のモーゼル地域で、いずれも白品種リースリングを使用しフルーティーで華やかな芳香のワインを造っています。

その他の地域では辛口志向に伴い、赤品種のピノ・ノワールや白品種のシャルドネを使った辛口、発泡酒のゼクト等を生産し、今後の品質向上に寄与する事が期待されます。

スペイン

陽気で情熱的な国スペイン。ワインもまた気取らず素朴なワインが主流ですが中には世界で認められた高級ワインも産出するワイン大国。

国別ワイン生産量第3位のワイン大国であり、日本でのワイン輸入量も国別で第4位という数字が示す様に、我々日本人にとっても馴染みのある「情熱的で庶民的な味わい」が特徴です。

情熱の国らしく、良質で濃厚な赤ワインが有名です。1990年代から、北部のリオハや地中海地方のプリオラート、内陸部のリベラ・デル・ドゥエロ、トロ等の地区において、新世代の生産者達が最新の醸造技術を駆使し造り上げる「スーパースパニッシュ」や「モダンスパニッシュ」と呼ばれる高級な赤ワインが新しいスペインワイン旋風を巻き起こします。

その他、大西洋地方のリアス・バイシャスや内陸部のルエダにて親しみやすい白ワインを。地中海地方のカタルーニャ州ぺネデスで、日本でも有名なスパークリングワインのカヴァ、そして南部では世界3大酒精強化ワインの一つシェリー酒等、バラエティに富んだワインが目白押しです。

ポルトガル

紀元前600年頃から続くブドウ栽培の歴史が生み出す、奥深く気さくな味わい。土着品種の宝庫でもある「古豪のワイン産地」

スペイン南西部に位置し、国土のほぼ全域でワイン造りが行われています。高温多湿な気候の中、ポルトガル固有のブドウ品種が約250種類以上も栽培され、多彩なテロワール(ブドウを育む生育条件)から多種多様なワインが生まれています。

近年、昔ながらの古典的な醸造技術と近代的な醸造技術を融合させたワインが世界的に注目されています。

国別のワイン生産量では世界第11位で、一人当たりのワイン年間消費量も世界で第4位という事で、ワイン文化が強い事が特徴です。

代表的な産地として、北部のヴィーニョ・ヴェルデ(ポルトガル語で「緑のワイン」の意)では、フレッシュで微発泡が心地よい白ワインの生産が盛んです。

中央部のベイラス地方ではパワフルで色の濃い赤ワインと本格的な製法で造る泡ワインが生産されています。

そして、ブランデー等を加えてアルコール分を高めた酒精強化ワインのポルトとマデイラは世界中で楽しまれています。

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